仕事柄打ち合わせなどで出版社の人と話していると、業界の話なんかを聞く事もある。といっても実はどこそこには黒幕が~!なんてセンセーショナルなことではなく、どちらかといえば出版業界の実情といった方が的を得ているかもしれない(たまにアレな話も聞きますが)
最近、時代小説なんかに懲りだしていて移動の暇つぶしによく買うようになったのですが、それを話たらこんな事を教えてくれた
曰く、近頃では文庫本は(※ベストセラーを除き)時代小説とライトノベルしか中々に売れないらしい
なんだか、実感を伴わずともピンときてしまうようなセンテンスである。そういえば母なども最近では本を買わず、もっぱら図書館で借りてきていると言っていた
さてそんな中で、時代小説は変わらず売れているというのは大変にすごいことだと思う。多くの確固たるファンがついているのでしょう。ぼくなんかはこの間、書店で適当に買った佐伯泰英さんの「断絶」という本を読み終わった折、これが「交代寄合伊那衆異聞シリーズ」の16巻目だという事に気づき慌てて1~5までを買い求めたりしている
といっても元々は時代小説が好きといったわけではなく、入り口としては高橋克彦さんのファンでSFや伝奇ものなんかも読んでいたのですが、いつの間にやら手に取る本の多くが時代小説になっていたのだから不思議な心持ちにもなる
これぞ日本人の気質、なんていったら安直過ぎて怒られてしまうかもしれませんが、どうにも時代小説を買って「ハズレ」無しといった安心感が手を伸ばさせている気はします。「ハズレ」なんて言ったら、一生懸命に本を書き上げた小説家の先生に失礼ですけどね。我ながら何に気を使っているのだろうか